
Jackery 3600 Plusは、3584Whの容量と3000W(瞬間最大6000W)の出力を持つポータブル電源です。
5人家族の停電対策として使うなら、冷蔵庫を止めずに、家族5人分のスマートフォンとWi-Fiを確保しながら、必要なタイミングで電子レンジや電気ケトルを使う、という生活をかなり無理なく続けられる容量です。
一方で、エアコンや電気ヒーターのように消費電力が大きい家電を長時間つけっぱなしにする使い方までは、3584Whでも余裕とは言えません。ここは先に伝えておきます。
つまり3600 Plusが向いているのは、「停電になっても、家族の生活をできるだけ普段どおりに近づけたい」家庭です。
逆に、スマートフォンと照明が使えれば十分という家庭なら、2000Whクラスのモデルでも足りる可能性があります。
このあと、実際にどの家電をどれくらい使えるのか、5人家族の停電した1日を想定しながら見ていきます。先に価格や仕様を確認したい人は、下のリンクからどうぞ。
Jackery 3600 Plusなら5人家族の停電対策にも使いやすい
3584Whあるから家族5人分の電力を確保しやすい
Wh(ワットアワー)は「どれだけの電気をためておけるか」を表す容量の単位です。数字が大きいほど、同じ家電を長く使い続けられます。
3600 Plusの3584Whがどれくらいの余裕かは、スマホ充電で考えるとイメージしやすいです。
公式サイトによると、フル充電した3600 Plusでスマートフォン(29W)は約130回充電できます。5人家族が毎日1回ずつ充電すると仮定すると、単純計算で26日分に相当します(公式の130回という数値をもとにした試算です)。
もちろん実際には冷蔵庫や照明と同時に使うので、これだけの日数もつわけではありません。スマホの充電だけを心配する必要は、まずありません。
3000W出力だから電子レンジやケトルなども使いやすい
W(ワット)は「一度にどれだけの電気を流せるか」を表す出力の単位です。容量(Wh)が水をためるタンクの大きさなら、出力(W)は蛇口の太さに近いイメージです。
3600 Plusは定格3000W・瞬間最大6000Wの出力があります。冷蔵庫を動かしながら電子レンジ(960〜1160W)や電気ケトル(850W)を同時に使っても、出力オーバーで止まる心配はほぼありません。
冷蔵庫はコンプレッサーの起動時に一瞬大きな電流が必要になりますが、瞬間最大6000Wという余裕があることで、この立ち上がりにも対応しやすくなっています。
Jackery 3600 Plusで停電時に使える家電と時間
Jackery公式サイトに掲載されている家電別の使用目安は、以下のとおりです(公式サイトの実測値/条件付き)。
| 家電 | 使用目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫(570Wh/24h) | 約4〜5日 | 公式値。一般的な使用量をもとにした、冷蔵庫を丸1日動かした場合の目安 |
| 電子レンジ(960〜1160W) | 約2.6時間 | 公式値 |
| 電気ケトル(850W) | 約3.6時間 | 公式値 |
| 炊飯器(330W) | 約7.5時間 | 公式値 |
| エアコン(900W) | 約3.3時間 | 公式値。一定条件でエアコン単体で3584Whを使い切った場合の目安(詳細は後述) |
| テレビ(60W) | 約36時間 | 公式値 |
| 電気毛布(55W) | 約36時間 | 公式値 |
| スマートフォン充電(29W) | 約130回 | 公式値 |
| ノートパソコン(80W) | 約38回 | 公式値 |
| タブレット(20W) | 約50回 | 公式値 |
| Wi-Fiルーター(目安10W前後) | 1週間以上 | 公式記載なし。一般的なルーターの消費電力を仮定した独自試算 |
| LED照明(3灯・目安8W×3灯) | 十分な余裕あり | 公式記載なし。一般的なLED照明の消費電力を仮定した独自試算 |
冷蔵庫は特に条件による差が大きい家電です。
表の570Wh/24hは一般的な使用量をもとにした目安ですが、公式サイトには別途、特定の検証機(三菱製・168Lクラス、冷凍-18℃/冷蔵3℃、開閉10回/24hという条件)を使った実測として約50時間という数値も掲載されています。
庫内容量や設定温度、開閉回数が変われば数字も変わるので、自宅の冷蔵庫がどちらに近いかで体感は変わってきます。
冷蔵庫・電子レンジ・電気ケトル・炊飯器・エアコン・テレビ・電気毛布・スマホ・パソコン・タブレットはJackery公式サイトの表示値です。
Wi-Fiルーターと照明は公式に記載がないため、一般的な消費電力をもとにした独自の目安として扱ってください。
また、この表の数値はいずれも「その家電1つだけを動かし続けた場合」の目安です。実際は複数の家電を同時に使うので、次の章で紹介する1日単位の試算のほうが実態に近くなります。
5人家族ならJackery 3600 Plusは実際に何日くらいもつ?
単体の家電の使用時間だけでなく、「5人家族が停電した1日」を想定して試算します。以下の条件で計算しました。
- 冷蔵庫:24時間稼働(公式値570Wh/24h)
- スマートフォン5台:1日1回ずつ充電(公式値29Wをもとに1回あたり約27.6Whで試算)
- Wi-Fiルーター:24時間稼働、10W想定(独自試算)
- LED照明:夜間中心に合計5時間、3灯×8W想定(独自試算)
- テレビ:情報収集用に合計2時間(公式60Wをもとに試算)
- 電子レンジ:1回5分×2回(公式1000W前後をもとに試算)
- 電気ケトル:1回5分×3回(公式850Wをもとに試算)
- 炊飯器:1回炊飯(330W×1時間相当で試算)
上の条件を合計すると、1日あたりの消費電力はおよそ1,900Wh前後になります。
3584Whという表示容量は、家電側でそのまま100%使えるわけではありません。
AC電源に変換する際にロスが生まれるため、実際に使える電力は表示容量よりいくらか目減りします。ロスの大きさは負荷のかけ方や気温などで変わるため、ここで正確な残量を数字にすることはできません。
このロス分を踏まえると、1日あたり約1,900Whという条件では、目安として1日半前後、というのが今回設定した条件でのざっくりとした結果です。
これはあくまで今回の使用条件をもとにした独自試算で、実際の使用可能時間を保証する数字ではありません。
炊飯器やテレビの使用を控えめにすればもう少し伸びますし、電子レンジやケトルの使用回数が増えればこれより短くなります。
3日以上続く停電が心配な地域では、後述するソーラーパネルや拡張バッテリーの併用も検討先になります。
エアコンまで使うと3600 Plusでも電力は大きく減る
真夏の停電では、人は多少我慢できても、留守番中の愛犬がいると「エアコンを完全に切る」という判断はしにくい家庭があります。
ただ、ここは注意です。公式サイトには、エアコン(900W)を使い続けた場合の目安として約3.3時間という数字があります。
これはエアコン単体で3584Whを使い切った場合の計算で、冷蔵庫やスマホの充電と同時に使えばもっと短くなります。
家庭用エアコンは、常に900Wを消費し続けるわけではありません。外気温や設定温度、部屋の広さ、住宅の断熱性能によって、実際の消費電力は上下します。
3.3時間という数字は一定条件での目安であり、自宅で必ずその時間だけ使えると保証するものではない、と考えておいてください。
3600 Plusだからといって、エアコンを一晩中つけっぱなしにできるわけではありません。
それでも2000Whクラスより使える時間には余裕があります。犬がいる家庭なら、この余裕をどこで使うかが現実的な工夫のしどころです。
- 最も暑い時間帯(日中〜夕方)にエアコンの使用を集中させ、夜間や涼しい時間帯は窓の開閉や扇風機など消費電力の小さい方法に切り替える
- 電子レンジや炊飯器など他の調理家電の使用タイミングを、エアコンを使う時間からずらす
- ソーラーパネルを併用し、日中に太陽光で充電しながらエアコンを使う
- 停電の長期化が見込まれる場合は、拡張バッテリー(本体1台につき最大5台・合計21.5kWhまで拡張可能)を検討する
3600 Plusは「エアコンをずっと使える電源」ではありません。2000Whクラスより、エアコンに回せる余地を少し多く残せる電源、というくらいに考えておくとちょうどいいです。
2000Whクラスではなく3600 Plusを選ぶ意味
「容量が大きいから3600 Plusのほうが良い」というだけでは、高額な差額を払う理由にはなりません。ここでは、どちらが向いているかを先に示します。
2000Whクラスでも十分な家庭
停電中に確保したいものが、次の範囲で収まるなら、2000Whクラスでも十分間に合います。
- 冷蔵庫
- スマートフォン
- 照明
- 最低限の通信(Wi-Fiや情報収集)
Jackery 2000 NewとPlusの違いを先に知っておきたい人は、比較記事もあわせてどうぞ。
3600 Plusの余裕を持つ意味がある家庭
一方、次のような条件が重なる家庭では、3600 Plusの容量に意味が出てきます。
- 5人家族などまとまった人数で暮らしている
- 冷蔵庫を止めたくない
- 電子レンジ・ケトル・炊飯器も使いたい
- スマホ5台やWi-Fiも維持したい
- 暑い日はエアコンにも電力を残したい
- ペットの室温管理も考えている
5人家族では、スマホの台数も、冷蔵庫の大きさも、調理の回数も、1人・2人暮らしより多くなります。ひとつひとつは小さくても、積み重なると必要な電力は確実に増えます。
Jackeryの2000 New製品ページには、「冷蔵庫、エアコン、テレビ、電子レンジ、ドライヤーといった一般的な家電製品の99%以上を動かすことが可能で、3〜5人の家族に3日間程度の緊急電力を提供できます」という記載があります。
ただしこれは、冷蔵庫を止めずに電子レンジやケトルを使いながらスマホ5台とWi-Fiを確保し、暑い日はエアコンにも電力を回す、という今回のような使い方を前提にした数字ではありません。
使う家電を絞って、軽めに使った場合の目安です。同じ「数日」でも、何を我慢するかで中身は変わってきます。
| 項目 | 2000Whクラス(例:Jackery 2000 New) | Jackery 3600 Plus |
|---|---|---|
| 容量 | 2042Wh | 3584Wh |
| 定格出力 | 2200W(瞬間最大4400W) | 3000W(瞬間最大6000W) |
| 重量 | 17.9kg | 35kg(キャスター・伸縮ハンドル付き) |
| 参考価格 | ¥209,800 | ¥359,800 |
価格は記事作成時点のものです。最新価格は公式サイトでご確認ください。
冷蔵庫と照明、スマホの充電さえ確保できればいい家庭なら、2000Whクラスで十分です。冷蔵庫を止めず、調理家電やエアコンにも電力を残しておきたいなら、3600 Plusの容量を選ぶ理由になります。
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Jackery 3600 Plusを停電対策に選ぶメリット
5人家族が停電したとき、3600 Plusの機能がどう働くかを整理します。
- 停電した直後に助かるもの:3000W・瞬間最大6000Wの出力があるので、冷蔵庫を動かしながら電子レンジやケトルを使っても止まりにくいです。
UPS機能は停電の瞬間に0.01秒で給電を切り替えるので、冷蔵庫や水槽は普段からつなぎっぱなしにしておけます。 - 停電が長引いたときに助かるもの:3584Whを使い切ったら終わりではありません。
拡張バッテリーは最大5台・合計21.5kWhまで追加でき、ソーラーパネルなら太陽光でも充電できます。
長い停電でも、電力を足す手段を残しておけます。 - 高額だからこそ確認しておきたいもの:3600 Plusは安い買い物ではありません。
LiFePO4電池は約6,000回使っても容量の70%以上を維持し、保証は3年+自動延長2年で実質5年です。
数回使って終わるものではなく、長く防災用として持っておけます。本体は約35kgあり、キャスターと伸縮ハンドルで平らな場所なら動かしやすいものの、階段では重さがそのまま負担になります。
保証の条件はJackeryの保証ガイド、電池の安全性は安全性についての記事で詳しく確認できます。
注文からどれくらいで届くか気になる人は、Jackery公式サイトの発送・到着日数の目安もあわせてご覧ください。
Jackery 3600 Plusが向いている家庭・向かない家庭
向いている家庭
- 4〜5人以上の家族で暮らしている
- 冷蔵庫をできるだけ止めたくない
- 停電中も温かい食事を用意したい
- スマホやWi-Fiなど、通信環境を確保したい
- ペットがいて、冷暖房を完全に諦めにくい
- 数時間だけでなく、翌日まで続く停電も想定している
- 必要になったら、あとから容量を増やしたい
3600 Plusまでは必要ない可能性がある家庭
- 1〜2人暮らし
- スマホと照明程度が使えれば十分
- 数時間程度の短時間停電だけを想定している
- 軽さや持ち運びやすさを最優先したい
- エアコンや調理家電を使う予定がない
この条件に近い場合は、無理に3600 Plusを選ぶ必要はありません。2000Whクラスのモデルも選択肢になります。どれくらいの容量が自分の家庭に必要か一から確認したい人は、防災用Jackeryの容量の選び方も参考になります。
Jackery 2000 New
(2042Wh・軽量17.9kgで扱いやすいモデル)
Jackery 2000 Plus
(2042.8Wh・出力は3600 Plusと同じ3000W)
5人家族で停電に備えるなら3600 Plusはかなり心強い
「停電になっても最低限しのげればいい」のか、「冷蔵庫も通信も食事も、できるだけ普段に近い状態を維持したい」のかで、必要な容量は変わってきます。
5人家族+愛犬という条件では、必要な電力は1人分・2人分の単純な合計以上に積み重なります。スマホ5台、大きめの冷蔵庫、複数回の調理、真夏の室温管理まで考えると、2000Whクラスでは心もとない場面が出てきます。
エアコンを何時間でも使えるわけではありません。ただ、スマホと照明だけなら、3600 Plusまでの容量は必要ありません。5人家族で、冷蔵庫も食事も通信も、できるだけ普段どおりに残したいなら、3584Whまで容量を上げる意味はあります。

